はじめに

 まず最初に自分がどんな就活をしたのかを話しておこうと思う。「使い方」でやんわり書いたこととかぶるけど。

 自分には特に就活におけるこだわりはなかった。「世界で通用する人材になる!」とかは考えてなかったのだ。希望はなかったがブラック企業には入りたくないと考えていた。毎日、始業時間に働き始め、定時に仕事を終わらせ、月に20万くらいの給料が入る。サービス残業は1分もしたくないが残業代がしっかり出るなら時々の残業もいい。そんな考え。あと、同窓会で周りにマウント取れたらいいなあとかそんな感じ。大企業はむずそうだけど。

 そこで参加したのが「隠れざる優良企業」をテーマに企業を集めた合同説明会イベント。たしか渋谷でやっていた。行ってみるとたしかに参加してた企業にはホワイトを売りにしてる企業が多かった。大体の参加企業が平均残業時間の少なさを売りにしていた気がする

 この合同説明会で自分の印象に残った企業が1社あった。そこでもホワイトな働き方をアピールしていた。今も思い出すことができるのはこの企業の説明の後の質疑応答。勤務時間が他社よりも短いこと、そして残業時間も短いことをアピールする発表をした後、1人の男子が説明を終えた後の担当者に質問した。

 「勤務時間も残業時間も短いって、会社で終わらなかった仕事を持ち帰って家でやってるってことはないんですか?」

 この男子の質問にはシビれた。自分もブラック企業を避けたい就活生として、企業が出す情報には裏がある可能性が高いと考えていた。それでもその疑いを自分の面接を担当するかもしれない人間に見せることは出来なかったのである。

 この男子の質問を受けた担当者の返答は落ち着き払っていた。「うちは情報を扱う企業なので仕事を持ち帰ってはいけないという決まりがあります。ですから仕事を持ち帰るようなことはありません。大丈夫ですよ。」

 結果から言うとこの企業に僕は就職することになった。ホワイトな働き方が売りであり、なおかつそこについて掘り下げられても納得できる答えが用意されていたからだ。

 しかし、自分の期待していたサービス残業ゼロの働き方は現状できていない。今になって就活を振り返るともっとホワイトな就職先があったのではと考えてしまう。このサイトを訪れてくれた人たちもきっと、新卒であれ、中途であれ本当にホワイトな働き口を探している人たちだと思う。このサイトは自分のようにホワイトな働き方を想像して就職したのに働き始めたら想像と違くてがっかりする人を減らすためのサイト。本当のホワイト企業で働くにはどこに気を付けて企業を分析すればいいのか、どこを掘り下げるべきなのか、考えていこう。